俺のチョキがグーに負けるわけがない

先日、友人にじゃんけんで負けてジュースをおごるはめになりました。

俺がチョキで友人がグー。

 

俺は負けたんじゃないんです。

”負けてあげた”もしくは”手加減した”という表現が適切でしょう。

 

確かに友人のじゃんけんルールでは俺は負けたかもしれません。

友人のルールではね。

 

しかしそのルールはあまりにも軟弱。素人のそれ。

拳と拳をぶつけ合わず、寸止めしている時点でたかがしれたじゃんけんと言えるでしょう。

試合はあくまで試し合い。どこまで行っても死合いではない。

 

俺が求めているのは拳と拳を…いや、命と命をぶつけ合うじゃんけん。

そう…

 

 

 

闇の拳闘(じゃんけん)だ!!!!!!!!!

 

 

 

闇の拳闘ではお互いの拳を直接ぶつけ合う。

そしてグーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つ。

 

などという女子供のルールは存在しない。

勝利の条件はいたってシンプル。

 

相手に「参った」と言わせること

これのみである。

ただし相手を死に至らしめた場合、武器の使用は即失格。ハンターしk…

失礼。即敗北となる。

 

グー、チョキ、パー

このじゃんけん御三家を使った技ならオールオッケー。なんでもありだ。

 

さぁ!地上最強の拳闘者(ジャンケニスト)を決めようぜ!!!!

 

こうして幕が上がる第一回地下拳闘トーナメント。

全国各地から「敗北を知りたい」と腕自慢、いや、拳自慢が東京ドームの地下に集結する。

 

俺は闘った。時には友と、時にはジュラ紀から蘇った野人と、そして時には腹違いの兄弟と。

 

俺は闘った。そして勝ち、決勝まで来た。

最後の相手は俺の父親「ジャンケン・ハンマー・つよし」だ。

その強さは単身でアメリカ軍と同等のじゃんけん力をほこるという。

異常なまでに硬い拳を持つことから「鋼の拳闘師(フルメタルジャンケニスト)」と恐れられている。

ちなみに近所でのあだ名は「つよぽん」だ。

 

そんなつよぽんに勝つために、俺はここまで拳を磨いてきた。

今日俺がつよぽんを倒し、地上最強のジャンケニストになってみせる。

 

闘いのはじまりを告げるゴングが鳴らされた。

しかし俺は拳を出すどころか一歩も動けない。

す、隙がねぇ…!!!

 

とにかく、とにかく攻撃しなければ!

「さいしょはぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!じゃんけんぐぅぅだぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!!!!!!!!」

俺の渾身のグーがつよぽんの拳を砕いたと思ったその刹那、

つよぽんの拳が…消えた…!?

 

「残像だ」

 

つよぽんの声が耳元で響く。

後ろだ。後ろを取られた。ジャンケニストにとって後ろを取られることは死を意味する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれからなんやかんやあって俺は勝った。

なんやかんやだ。なんやかんやあったんだ。

展開が思いつかないとか、めんどくさくなってきたとかそういうんじゃない。

あくまでなんやかんや性の高いことがあったんだ。

 

 

つまりなにが言いたいかというと、じゃんけんにおいては俺が最強なんで、皆さん早くジュースおごってください。