なぜパティシエになったのか

今はやめてしまったが、僕がなぜパティシエになろうと思ったのか、そこには崇高で誇り高く、全米が泣き、そして泣く子も黙るような理由…などもちろんありません。

 

パティシエになろうと思った動機はただ1つ!

モテである!!!

女の子にモテたかった!!!

モテてモテてモテまくりたかった!!!

のです。

 

 

それは小学五年生のとき。11歳にして僕はこの世に二種類の人間がいることを悟った。それは「モテる人間」と「モテない人間」

 

僕は圧倒的に後者。誰からも求められることのない存在。

しかし僕はこの現実を甘んじて受け入れるほど諦めのいい小学五年生ではなかった!

なんとか!なんとかしてモテる側の人間に!

 

どうしたら!どうしたらモテるんだ!考えろ!回れ俺の脳細胞!!!!!

 

…‼︎

女子が好きなもの…

女子は甘いものが好きだ…つまりケーキ…

ケーキを作れる人間になれば、女子から…好か…れる…‼︎

パティシエになろうと決意した瞬間である。

 

こうして僕はパティシエを目指すようになりました。

そのおかげで小学校ではモッテモテ!

中学では女の子にキャーキャー言われ!

高校では全校生徒の憧れの的に!

専門学校では拝み奉られる!

 

ことは当然なかった。

 

 

いや!しかし!就職すれば!!立派なパティシエになれば!!!俺はモテるはずだ!!!

それから俺は無事東京の専門店に就職し、がむしゃらに働いた!!朝早くから夜遅くまで!!!全部モテるためだ!!!待ってろシティーガール!!!

そしていろんな仕事も任せられるようになった!!!一人前だ!!!俺は立派なパティシエになったんだ!!!これから俺のモテ期が始まるんだ!!!

うをぉぉぉぉぉぉおぉ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

モテない!!!!!!!

全く!!!!これっぽちも!!!!!!

モテない!!!!!!

それが俺!!!!フジノシン!!!!!よろしく!!!!

 

 

 

 

 

 

今になってやっと気付きました。モテに大事なのは職業じゃねぇ。人としての魅力だと。

はぁ〜モテたい。

 

俺と綾瀬はるかは付き合っているのかもしれない

 

タイトルの通りなんですが、もしかしたら俺と綾瀬はるかさん、いや、俺とはるかは交際関係にあるのかもしれません。

 

上の文を読んだ皆さんの感想は

「頭がおかしい」

「気持ち悪いヲタク」

「童貞」

といったものでしょう。

 

皆さんがそう思うのも仕方のないことです。俺でさえついこの間までそんなことは微塵も考えたことはありませんでした。

 

しかしふと考えてしまったんです。

「そういえば僕ちんの大好きな綾瀬はるかさんはまだ結婚していないな。ていうか熱愛報道すら見かけないぞ」と。

なぜはるかが結婚していないのか。考えうるパターンは3つです。

 

①恋人がいない

②恋人はいるがプロポーズされていない、もしくはしていない

③結婚する気がない、何らかの理由でできない

 

まず可能性①ですが、あれだけ素敵な女性に恋人がいないとは考えづらいので除外します。

可能性③は俺にとって夢がないので除外します。

 

残る可能性は②恋人はいるがプロポーズされていない、もしくはしていない。

 

つまり、

「はるかにプロポーズしていない、されていない人間=はるかの恋人」

 

あれ?俺はるかにプロポーズしてないぞ?

つまり俺がはるかの恋人という可能性もあるんじゃないか?

 

そう考えるといくつか心当たりがありました。

まず俺って幼稚園の頃の記憶があんまりないんですよ。

何が言いたいかというと、

 

幼稚園のころにはるかと交際をスタートしたんじゃないか?

ってことです。

 

俺が幼稚園児のころにはるかと出会い、交際をスタートしたが、俺があまりにも幼かったせいでそのことが記憶から消えてしまった。

そう考えると全てのことに辻褄が合う。

Q.なぜはるかは結婚していないか?

A.フジノシンがプロポーズしていないから。

Qなぜフジノシンはプロポーズしないのか?

A.交際していることを覚えていないから。

Q.なぜフジノシンは女の子に振られ続けるのか?

A.綾瀬はるかの恋人には手を出せないと女の子が委縮しているから。

 

う~ん、俺が幼稚園児だったころ、年長さんだとしても17年前か。

その当時はるかは17歳。ピチピチの女子高生。Wikipedia先生によると、そのころにはすでにホリプロスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞し芸能界デビューを果たしている。

いっぽう俺はクレヨンしんちゃんの真似をして常に下半身は丸出しの状態で幼稚園に通っていた。

めちゃんこかわいいjkがまるだし園児と交際を始める。

狂気の沙汰としか言いようがない。しかし、そんな狂気を起こす力が当時の俺に、俺の丸出しの下半身にあったのかもしれない。いやあったんだ!!!

 

ごめんはるか。17年も待たせちゃって。

つらかったよな?いろいろと我慢させちゃったよな?

一度も会いにいかなくてごめん。大事な約束を忘れててごめん。

でも全部思い出したよ。今ははるかと同じ東京にいるんだ。これからはいつでも会いに行ける。はるかに話したいことがいっぱいあるんだ。聞いてくれるかい?

はるかの話も聞かせてほしい。この17年間のこと全部全部話したら、お互いのことをほんとうに分かり合えたらそのときは、

はるか、結婚しよう。

 

 

ここまで読んだ皆さんの感想は

「頭がおかしい」

「気持ち悪いヲタク」

「童貞」

といったものでしょう。

 

はい。全くの同意見です。今俺自身も吐き気が止まらないのでこの辺で終わりにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーチューバーになりますわ

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インスタでよく出て来るこの広告。

面白そうだなと思い受けてきました!

 

前からユーチューバーって憧れてたんですよね〜!

俺もユーチューバーになって不祥事を起こし、黒髪スーツで謝罪したい!謝罪したいんだ!

 

まだ見ぬ謝罪動画のために、降り立ったは山手線高田馬場駅!向かうはテアトルアカデミー

いざ出陣!

 

 

会場に到着するとまずは超至近距離でチェキを撮られました。顔面どアップのチェキを手渡され広めの部屋に案内されると、簡単なアンケートを手渡される。アンケートの内容は「好きなユーチューバーは?」「このオーディションを知ったきっかけは?」みたいな感じでした。

 

会場にはすでに10人くらい人がいてみんな黙々とアンケートを書いていました。見た目はどの人も案外普通。もっと派手な人がいるかと思っていたので少し拍子抜けした気分でした。

気合いを入れてはらぺこあおむしのTシャツにはらぺこあおむしのシャツを羽織って行った俺の気合いを返してほしい。

 

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開始時間になるとユーチューバーのコンサルをしているという会社の社長さんと作家さんが登場。

これからのYouTube業界の話、どんな動画がウケるのか、ユーチューバーとしてのポジショニングなど2、30分くらい話を聞いていましたがなかなか面白かったです。

特に登録者数50000人で1000万は稼げるみたいな話は興味深かったですね。

 

まぁそんな有難いお話が終わると簡単な実技検査。

会場にはステージがあり、そこにカメラが置いてあったんですが、そのカメラの前でお茶のPRをしろとのこと。

その様子は会場の大きなスクリーンに映し出されます。

 

大体の人はお茶を飲んで「美味しいです〜」「飲みやすいです〜」「カテキンが〜」

みたいなことを言っていましたね。

 

甘い。甘すぎる。

そんなありきたりなことを言ってどうする。

個性を、君だけの個性を出せよ!

俺の背中を見ていろ。ユーチューバーとはなんたるかを君たちに教えてやるぜ!

 

俺はカメラの前に立ち、PRを始めた

「はいどーも!フジノシンです!

今日はこちらの"お〜い、お茶"を紹介していこうと思うんですけど!注目していただきたいのはこの内容量!なんと!なんと280ml!300でも250でもなく280ml!驚異の中途半端!皆さんも是非!このMr.中途半端こと"お〜い、お茶"を飲んでください!またね!」

 

 

 

 

 

 

 

スベり倒した

 

 

空調の音だけが会場に響き渡っていた。

カメラマンが、スタッフが、応募者たちが、俺にゴミを見るような目をむけてくる。

 

いいか、これがユーチューバーだ。恥も外聞も投げ捨てて視聴者のために体を張る。

君たちに見せたかったのは笑いの取り方じゃない。姿勢だ。ユーチューブに対する姿勢だ。

 

止まらない冷や汗をぬぐいながらステージを降りる。

次はテアトルアカデミーのマネージャーさんとの個人面談。

「どんなユーチューバーになりたいの?」

「今はなにか活動してるの?」

みたいなことを聞かれた。

 

最近ブログをはじめたことを伝えると、是非見てみたいという。

ブログを見てひとこと

「太宰好きなの?」

 

なんと!このブログ名の由来をわかってくれるとは!

まぁ「人間失格」の有名なセリフなのでわかる人はそこそこいるんでしょうけど、初めて言及されたのでテンション上がりましたね(笑)

 

 

とりあえずこの個人面談でオーディション終了。

あとは結果を待つのみです。

 

 

 

 

そして合否を告げる書類が届いた。

結果は…

 

 

 

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合格!

いや〜やっぱり大事なのは笑いを取ろうとする姿勢ですよ。姿勢が評価されましたね。

 

 

そして注目していただきたのはここ!!!

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 ルックスがいい!!!ありがとうテアトルアカデミー

ルックスがいいなんてママ以外から初めて言われたよ。しかしそうか、やはり、俺はルックスがいいんだ。そうなんじゃないかと前から思ってたんだよな~~~。

これからは「フジノシン(ルックスがいい)」という名前でやっていきます。

 

 

さあ、そんなフジノシン(ルックスがいい)ですが、テアトルアカデミーには入りません。

このオーディションはユーチューバーのオーディションではなく、あくまでユーチューバーユーチューバー養成コースのオーディション。

つまり合格しても養成コースに入るための金が必要なんです。

その額50万円。機材や施設を貸し出してくれたり、プロからの指導が受けられたりするので、この額もそんなに高いとは思いませんが、俺には50万なんて払えましぇ~ん。

すまんなテアトルよ。

 

 

まぁYouTubeは今年中にやってみようと思ってるのでそのときは

チャンネル登録してね~♬

 

 

 

 

今更ながら自己紹介

10記事目にしてやっとこさの自己紹介。

 

初めましての人や、私フジノシンを受精卵の頃から知ってるよって人にも是非とも読んでいただきたい。

 

まいねーむいず「フジノシン」

ニコ・ロビン」のイントネーションで呼んでください。

 

身長はりんご約18個分。

体重はりんご約214個分。

年齢はりんご約22個分。

性別はりんごです。

 

アップル星の第一王子としてこの世に生を受けました。

アップル星は緑に囲まれた豊かで平和な星でした。そう、奴らが現れるまでは…

 

奴らの名は「ブルーベリー星人」

高い戦闘力と視力を誇り、数々の星を侵略してきた戦闘民族です。

ブルーベリー星人はどの個体も声が野沢雅子

あの声で「クリリンのことかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」「ブルーベリーあぁぁぁぁぁっぁぁいいいぃぃっぃぃぃ」「わかさ生活!!!!!!」

と謎の奇声を上げながらの攻撃にわが軍は早々に戦意喪失。

奴らは「ブル♬ブル♬あいあい♬ブルベリアイ♬」と奇怪なダンスを踊りながら殺戮を繰り返し、気付けばアップル星は、熟れたリンゴのように真っ赤な血にまみれた星へと変わってしまいました。

 

私は命からがら星から脱出し、この地球に辿り着きました。

 

「…してやる…くちくして…駆逐してやる!!!一匹残らず!!!!ブルーベリーを!!!!」

 

 

復讐心にかられながらも、復讐の方法もわからず、知らない地球という星で一人きり。

心は摩耗し未来への希望を捨てようとしていたとき、私は”あの方”に出会いました。

 

あの方とは後世に偉大な物理学者として名を遺す「アイザック・ニュートン」その人です。

アイザックは異星人の私とよく遊んでくれました。

ある時は木登りを私に教えてくれました。またある時は木に登った私を突き落としニヤニヤ笑っていました。

またある時は、私を木から蹴り飛ばし「ふむふむやはり…」などとつぶやきながらノートをとっていました。

またある時は、私を木から押し飛ばし

 

 

 

 

「お前の席ねぇぇぇぇからぁぁぁぁっぁ!!!!!」

 

と叫んでいました。

 

翌日アイザックが変死体で発見されました。

遺体の横には毒リンゴが転がっていましたが、犯人はいったいだれなのでしょうかね?

 

私がそんな生活をしている間にブルーベリー星人は「ふふふフレッシュふふふフレッシュふふふフレッシュなオリーブいかがですか?いかがですか?星人」に滅ぼされたらしいです。

 

復讐の対象を失った私は暇なのでブログを書くことにしました。

そして今に至ります。

 

これで僕のことを少しはわかってもらえたでしょうか?

 

 

 

 

 

 

人類皆石原さとみ

「エビフライの尻尾とゴキブリの羽は同じ成分らしい。」

 

前回の記事と同じ導入になってしまって申し訳ないが、今回はこの言葉が示す素晴らしい事実を皆様にお伝えしたい。

 

cakecake.hatenablog.com

 

エビフライの尻尾とゴキブリの羽が本当に同じ成分なのかは調べていないので何とも言えない。そして今後も調べることはないだろう。

しかし考えてみれば見た目は違っても同じ成分、同じ物体でできているものというのは案外数多く存在している気がする。

例えばダイヤモンドと鉛筆の芯。どちらも同じ炭素でできている。なのでただの炭素の塊にも高温高圧力をかければ、あらふしぎダイヤモンドができあがるらしい。

 

そしてここからが大事なお話。

 

皆さんは知っていますか?

 

 

俺の手と、石原さとみの手は同じ成分でできているんですよ?

 

いや、手だけじゃない。俺と石原さとみの体はほとんど同じ成分でできています。

 

 

つまり

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は石原さとみなんですよ?

 

 

 

 

 

 

というか人類皆石原さとみです。

 

ハハハハハ!!!!!

素晴らしい!素晴らしいぞ!!!!!

 

生まれ変わったら石原さとみになりたいとぼやいているそこのお方!

安心しなさい!君は生まれ変わらずとも石原さとみなんだ!!!!

 

ももももももしかして、俺の下唇は、石原さとみの下唇と同じ成分でできているのでは???

つまり俺が口を動かすたびに俺の上唇と石原さとみの下唇が触れ合っている!?!?!?

 

なんてことだ!!!!俺はこれまでの人生で何千何万回も石原さとみと唇を重ねてきたんだ!!!!!!

これはもう付き合っていると言っても過言じゃないでしょう!!

いや結婚だ!!!これはもう結婚!!!!夫婦だ!!!!!

石原さとみ」改め「藤野さとみ」

悪くない!悪くないぞぉぉぉぉぉぉ!!!!!

 

ということは!!!!つまり!!!!

俺の上唇は角野卓造の上唇と同じ成分でできている!!!!

俺は角野卓造の何万何億回とキスしてきたんだ!!!!!!!

どうだ!!!羨ましいか泉ピン子!!!!!!えなりかずき!!!!!!

俺と卓造はずっと前からズブズブのふしだらで不適切な関係なんだYO!!!

 

これからは藤野卓造だ覚えとけ!!!!!!

 

 

フハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

フハハハハハ!!!!

 

 

 

フハハ…

 

 

 

 

はぁお腹すいた

 

 

 

人類皆エビフライ

「ゴキブリの羽とエビの尻尾は同じ成分らしいよ」

昔そんなことを友人から聞いた。

その友人曰く、エビフライの尻尾を食べてるやつはゴキブリを食べてるのと同じらしい。

 

なるほど。もともとエビフライの尻尾は残すタイプ(というかこの時初めてエビフライの尻尾を食べる人種がいると知った)だが、この話を聞いたあとだとなおさら食べる気は起きないなと思った。

 

以来僕はエビフライの尻尾を残し続け、いつのまにか大人になった。

死ぬまでエビフライの尻尾を残し続ける人生。その生き方になんの疑問も抱かずに生きていた。それが正しいことなんだと、ゴキブリの羽と同じものを食べるなんて人間のすることじゃないんだと自分に言い聞かせて。

あの頃の僕は、自分の人生が数多のエビフライの尻尾の犠牲の上に成り立っているその現実から目を背けていた。

 

そんな臆病者の僕を、深い罪悪感の海から救い出してくれたのは地元の友人・りょーたろーだった。

 

あれは去年、りょーたろーと電話をしている時だった。

僕はあの呪いの言葉を言ってしまった。

「ゴキブリの羽とエビの尻尾は同じ成分らしいぞ」

と。

救えない。自らが長く苦しむことになった言葉を友人に浴びせるとは。

仲間が欲しかったのかもしれない。一緒にエビフライの尻尾に怯え、苦しむ仲間が。

言い終わると同時に、自分の胸にドス黒い泥が溜まっていくのを感じた。まるで焦げたエビフライの色のようにドス黒い泥だ。

しかしりょーたろーは、そんな僕の思いを裏切るように、軽快な口調でこう言い放った。

 

「らしいね!でも俺普通に食べるよ!気にせんね!」

 

衝撃だった。後頭部をエビフライで殴られたような気がした。

僕はあの言葉を聞いて以来、夢のなかでもエビフライの尻尾の亡霊にうなされる日々をおくったというのに…

 

大きな困難にぶつかったときに、その人の本当の強さがわかるという。

エビフライの尻尾がまさにそれ。僕たち人類にとっての大きな、とても大きな困難だ。

 

りょーたろーはその困難を乗り越えた。強い人間だ。

ぼくは弱い。いつまでも困難の前で膝をついたままで前に進めない。歩き疲れて母に抱っこをせがむ子供のようだ。

 

しかしいつまでもこうしてはいられない。僕も前に進まなくては。

甲殻類が脱皮をするように、自分の殻を破らなくては。

 

「ありがとう。おかげで決心がついたよ。」

 

僕はそう言い残して電話を切った。

 

窓の外がかすかに明るい。いつの間にか夜が明けたようだ。

窓を開けて外の空気を吸い込む。四月の冷たい空気が肺を満たしていくと同時に、胸にたまっていた泥が消えていくのを感じた。

 

その日、不思議な夢を見た。

僕とエビとゴキブリが手をつないで海岸を歩いている夢。みんな笑っていた。

争い、貧困、格差、差別、種族の壁、そんなものは存在しないというような、どこまでも幸せそうな笑顔だった。

 

目が覚めて、近くのスーパーにむかい、惣菜コーナーでエビフライを購入する。

 

家に帰り購入したエビフライを食べる。いつも通りに。

尻尾だけが皿の上に残っている。いつもと違うのはここからだ。

 

尻尾を箸でつまみ、口に運んでいく。

そこにはもうゴキブリの羽だとかそんなくだらない思いは介在しない。

ただひたすらの感謝。エビへの感謝。

 

”僕のもとへと辿り着いてくれてありがとう””

 

尻尾を食べ終わったあとに残るのはただの満腹感だけではなかった。

成長できた充足感。やっとこの世界と一つになれたような一体感。

 

あぁ、そうだ。僕は僕なんだ!!!

僕はここに居ていいんだ!!!!!!

 

おめでとうと世界が祝福してくれる。

ありがとう。

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

ーー エビフライを君に ーー

 

 

 

 

 

 

 

ロマンチックかたつむりチンコ

でんでんむしむし〜かたつむり〜♬

お前の頭はどこにある〜♬

角だせ槍だせ頭だせ〜♬

 

キャッチーなメロディーに乗せながら、いきなり頭部の所在を問い詰め、あれ出せこれ出せと要求してくるなんとも横暴な童謡。

みなさんも一度は耳にしたことがあると思います。

 

何気なく聴き、歌っていたこの童謡ですが、なにか疑問に思ったことはありませんか?

 

3行目の歌詞にご注目いただきたい。

 

角だせ槍だせ頭だせ〜♬

 

そう。槍。槍ってなんだ?カタツムリのどこに槍があるんだ?

そう思ったことはありませんか?

 

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角と言われる部分は「触覚」です。

この触覚の先端には目玉がついています。イラストにも描かれていますね。

頭の部分は言わずもがなでしょう。

 

さて、問題の「槍」

槍っていったいなんなんだ?

わたくし、フジノシンがその疑問にお答えしましょう。

 

 

まず「槍」の正式名称は

日本語で「恋矢(れんし)」

英語で「ラブダート(Love dart)」

と言います。

なんともロマンチックな名前です。

 

 

それでこの槍をいつ、なにに使うのか。

勘のいい方なら恋矢という名前で察しているかもしれませんね。

 

 

そう!ズバリ槍を使用するのは「交尾」のとき!!!

交尾のときに相手の体に槍を突き刺すのです!

 

そうかそうか。つまり槍はチンコなんだな?

エーミール少年ならそう言ってきそうですが、それは少し違います。

 

正確には槍はチンコの一部です。

 

槍は精子を送る器官ではなく、その器官はまた別にあります。

 

ほんならカタツムリのあんちゃんは槍突き刺してなにしてまんの?自然界のSMプレイっちゅうやつですか?

 

大阪のおじさんならそう言ってきそうですが、全く違います。

 

 

槍の役割は、槍から特殊な分泌液を送り込むことによって受精率をあげることです。

 

つまり人間のオスはエクスカリバー1本しか使えないのに対し、カタツムリはグングニルの槍とロンギヌスの槍を持っている「二槍使い」なのです。

チンコにおいて人間はカタツムリの下位互換だと言っても過言ではないでしょう。

 

ただし全てのカタツムリが槍を持っているわけではありません。

槍を持っているのはカタツムリのなかでも雌雄両性体の一部の個体。

雌雄両性体とはオスとメスの区別がなく、どちらの性器も持っている生き物です。

 

どちらの性器もあるので、他の個体と交尾しなくても子供を作ることも可能です。

これを「自家受精」といいます。

 

しかし自家受精は受精率が低いので、たいがいのカタツムリはチンコと恋矢の二槍プレイをするらしいですよ。

 

 

 う~ん強い。強すぎるぞカタツムリ。

パートナーがいれば二槍プレイ。いなければ自家受精。

種の保存が生物の存在意義だとするならば、これほどまで生に貪欲な生き物はいない。

 

梅雨の時期、カタツムリを見かけたら畏敬の念を込めて敬礼だ。


カタツムリの交尾